「あのー、照明の位置を少しずらせますか、

それと昨日から思っていたけど

このキッチンの扉の色、私が選んだ色と

違いますよ。」

「??!!

嘘だ、なぜだ、そんなことがあるのか、等が

頭の中を駆け巡る。

冷静になって承認図やパース図を見てみると

お客様の仰るとうりで、最後まで迷っていた

2案の内、選ばれなかったプランの色見が

この現場に設置されていた。

なぜだろう?こんな事が起きて良いのか?

どうしてお客様から指摘される前に

気が付かなかったのか?何年やってるんだ?

。。。。。。。。。。

キッチンのオーダー(発注)はMさんが手配

した、自分もそれを確認した。

仕様の指定は間違っていなかった。

なのにどうして?

調べてみると、オーダーのシステムは

注文書と見積書をセットで依頼することに

なっており、注文書に仕様が記載されても

その見積書の品番を正として手配をかけたとのことだった。

「確認」

全ての問題はそこにある。

オーダーした側、それを受けた側、

またその先のメーカー側

お互いに確認の行動を取れば

こんな事は起きないはずだった。

長い経験の中でこんな事を初めてだ

それも女性達の城と呼ばれるキッチンで。

アフターサービス時代、

白手袋をはめて、キッチンの点検をして

印象を良く見せる等気を付けていたが

今回は致命的な失態だ。

お客様に本当に申し訳ない気持で一杯だ。

その後の事の詳細は記載しない。

改めて段取の基本を立ち返るべきだと

思った。